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働く女(ひと)!
38歳までにしておくべきこと
有川真由美

「どんな状態になっても、食いっぱぐれない自分になっておいて!」
 そう思ったのが、この本を書いたきっかけでした。
 発売されてから今日まで、多くの女性たちに愛していただき、今回、文庫化されたことを、大変うれしく思っています。

 さて、38歳以上の女性は、「求められる人」「求められない人」で、はっきりと二極化されてきます。
 いい仕事をして、愛される人には、仕事が集中します。
 だから、どんどん仕事の能力は上がり、大切にされる存在になっていきます。
 反対に、だれでもできる仕事しかせず、しかも面倒な人には、仕事はまったくきません。
 だから、いつまでもその他大勢と仕事を奪い合うことになり、社会は冷たい対応です。
「求められる人」は、ますます求められ続けるし、「求められない人」は、ますます求められない人になっていきます。
 自分の生きたいように生きるためには、「周りに認められ、一目置かれる存在」になっておくことが必要不可欠。そうでなければ、ずいぶんと立場の弱い存在になってしまうのです。

 あなたは、世の中に対して、「自分商店」を経営していると考えるといいでしょう。
 20年ほどかけて、いい商品を提供できるようになり、ブランド力をつけた店は、黙っていても、人が買いに来てくれます。
 近くに大型ショッピングモールができても、まったく問題はありません。
「ちょっと高いですけど」と言っても、よろこんで買ってくれます。
「しばらく休みます」と言っても、店が開くのを待っていてくれます。
 つまり、こちらの都合が通る店になるのです。
 20年かけても、どこでも売っている品物しか提供できない店は、悲惨です。
 近くに大型スーパーができれば、死活問題。安売りセールをしたり、深夜まで店を開けたりして、なんとか存続できる状態です。お客が来なければ、あちこちに「買ってもらえませんか?」と売りこみをしなくてはいけなくなります。
 なにかにしがみつかなければいけないかもしれません。
 つまり、周りの状況に振り回される店になってしまうのです。
 あなたは、「求められる人」「求められない人」、どちらの存在になりたいですか?

 もし、あなたが、「求められる人」になりたいと思うなら、「38歳までにしておくべきこと」があります。
 38歳は、女の仕事人生では分岐点。「求められる人」「求められない人」がはっきり分かれる境目であると同時に、38歳までは、「トライ&エラー」が許され、生きる基礎力をつけられる年代であるからです。
 女性の仕事人生は長くなりました。60代70代でも、現役として活躍する時代ですが、20代30代で身につけた基礎力は、一生、使える財産になります。
 40代で身につけようと思っても、もはや遅い学びがあります。
 40代以上の女性に、あれこれ教えてくれる人はいません。
 世の中は、ある種の「あきらめ」をもって接してくるからです。
 世の中の反応という“証明”は、とても正直です。
 あなたが38歳になったとき、「あなたにお願いしたい」と、社内だけでなく、社外からも引き合いのある存在になるために、この本に書いてあることを、ひとつひとつ実践しておいてほしいのです。
 そうすれば、胸を張って、ご機嫌に、自分の人生を歩いていけるでしょう。

 私の20代30代は、転職が多く、道をまちがうことの連続でした。
 でも、38歳からは、「どこでも仕事ができる(場所の自由)」「いつでも仕事ができる(時間の自由)」「お金を自由に使える(経済の自由)」「好きな人と付き合える(人間関係の自由)」という四つの自由を手に入れられたのですから、38歳までに身につけてきた基礎力は、まちがっていなかったと確信しています。
 もしかしたら、生きていく基礎力は、道をまちがうことで、ひとつひとつ得られてきたのかもしれません。
 私は、この本を書いたあとすぐに、台湾の大学院に留学し、「日本女性のリスク問題」について研究してきました。40歳を過ぎてからのチャレンジでした。
 かつて「なんだか働きづらい」「なんだか結婚(恋愛)しづらい」「なんだか生きづらい」と感じていた日本社会について、外側から観察し、その理由を突き止めてみたいと思ったからです。
 それには、さまざまなことが複合的に関係していましたが、もっとも大きな要因は、自由と引き換えに、人生のリスク(起こるかもしれない危険性)を個人で引き受けるようになったこと。これまで属していた「地域」「家族」「会社」といったつながりが希薄になったために、「人生の落とし穴」ともいえるリスクについて、個人で対処していかなければならなくなったのです。
 しかも、女性の生き方が多様化して、先が見えない時代。
 これまでになかった落とし穴があちこちに潜んでいます。
 研究に協力してくれたモニターの女性たちは、よくつぶやいたものでした。
「まさか、私がシングルマザーになるなんて思わなかった」
「まさか、育児後の再就職がこんなにたいへんとは思わなかった」
「まさか、精神的なダメージから体まで壊すなんて思わなかった」
「まさか、非正規社員で独身のまま年をとるなんて思わなかった」
「まさか、こんなことになるなんて……」と、それまで見えなかったリスクに、はたと突き当たって悩みを抱えるのです。
 日本の女性たちは、仕事ができて向上心があり、前へ前へと進もうとする一方で、先の見えない不安や、すべて“自己責任”で片づけられる孤独や重圧に、足がすくんでいるように見えます。
 でも、心配することはありません。
 生きていく基礎力さえあれば、どんな落とし穴に陥っても、這い上がって進んでいけます。いえ、落とし穴があったとしても、ひょいと身をかわして、落ちることなく進んでいけます。
 生きる“知恵”を身につけていれば、怖いものはないでしょう。
 38歳以降は、本当に楽しく、ワクワクする人生が待っています。
 それを手に入れることは、だれであっても可能なのです。

 さあ、最高にブランド力のある「自分商店」をつくるプロジェクトの始まりです!

                              有川真由美


  働く女! 38歳までにしておくべきこと 目次

文庫版まえがき

第1章 進路を決める
1「もう一人の自分」と人生をつくる。
2「世間に出回っている価値観」に惑わされないで。
3 人生は変化の連続、「しなやか変化」で対応する。
4「本当のところ、どうなんだろう」と自分の頭で考える。
5 自分の人生は「自分の責任」で引き受ける。
6「平均値なんて関係ない」と自分のモノサシを持つ。
7「20代はバタバタもがいていい」。ただし本気で。
8 働くことこそ「社会貢献」ですよ!
9 30代で「若さの強み」は消滅する。
10「その他大勢」にならないで。
11「少しでも多くのお金を稼ぐ」を目的に。
12 アンバランスな「がむしゃらな時期」もいい。
13「結婚か仕事か」という選択はもうやめよう。
14「人生の背景」は10年ごとに変わる。
15「専門」ある?「リーダー」やれる?
16 不況でも好況でも「時代」を利用しよう。
17「求められる場所」に行く。
18「自分の商品価値」を上げると決めて。
19「会社にぶら下がる」と会社は逃げるよ。
20 コツコツと「人生ブロック」を積み上げる。
21「よし、できる!」をイメージする。
22 ゆっくりでも、休み休みでも「やり続ける」。
23「前例はないけど私なら!」と考える。
24「どんどんまちがえよう」。失敗も貯まれば資産!
25「仕事を愛してますか」。残るのは仕事の好きな人たち。
26「何をあんなに焦っていたんだろう」。求めて見えてくる。
27 生き方の「お手本」になろう。

第2章 基礎体力をつくる
1 いちばんいい利回りは「自分への投資」。
2「ラクな仕事」は報酬もそれなり!
3 収入は「勉強量」で増加する。
4「必要のない資格」をとりまくってもムダなだけ。
5「一流」のパワーをあびる。
6 読書は「娯楽」「情報収集」「指南書」に分けて。
7 近くにいる「仕事関係の人」を大事にする。
8「シンプル!」で印象は劇的によくなる。
9 品格のある「表情・姿勢・しぐさ」を手に入れる。
10 ビジネスマナーは「本音と建前」を使い分けて。
11「結婚、育児、家」……どうする? どうなる?
12 出ていくお金には「ありがとう!」。
13「病気、ケガは突然に」。定期健診と生命保険は必ず。
14「ひとり時間」の30分。この差が大きい。

第3章 仕事力を身につける
1「自分も納得!」の仕事を! 3年以上は続けよう。
2「トップ」を知っておこう。自信になる。
3「つまらない仕事」でも光れる人に。
4「自分の価値を決める」のは他人。
5「相手の期待値」を少しでも超える。
6「あたりまえのこと」をあたりまえにこなす。
7「アイデアはアクションから」
8「段取り八分」で先手を打とう。
9「時間」はこうしてつくる!
10「みなさんのおかげです」。心から言えるか。
11「ちょっとお願い!」。頼み上手になろう。
12「代替案・相談・日時指定」。断り上手になる。
13「ストレス解消!」。整理整頓・掃除の習慣を。
14「情景、会話が浮かんでくる」。メモの習慣を。
15「どう伝えたか」より「どう伝わったか」。論理的に。
16「あ、ひらめいた!」。しつこい人にアイデアは湧く。
17「お宝情報、ゴミ情報」。分析する力を。
18「こうすると、もっとよくなる」。つねに改善点を。
19「早期発見・早期解決」。目標から解決策を。
20「ミスヘの対処7原則」。再発にご用心!
21「立場は人を成長させる」。昇進を喜んで。
22「人のいやがること、やってないこと」。そこをやる。
23「会社はココを期待する」。経営者の目線も。
24 働く女は「営業利益」も意識しよう。
25「世界から学び世界を味方にする」。視野を広げて。
26「どっちを選ぶか」、どのみち、ラクはなし。

第4章 精神力を養う
1「いま」を楽しむ。
2 いつだって幸せに生きる。
3 幸運力を呼び込む3つの方法。
4 いい言葉を選んで使おう。
5 チャンスを引き寄せる女になろう。
6 偶然を必然に変えてしまおう。
7 性格や行動パターンを把握する。
8 感情のコントロールをしよう。
9 落ち込みを回避する3つのステップ。
10「悩みごと」に取り込まれないで。
11 このやり方でモチベーションを盛り上げる。
12 絶望的になったときは。
13 自分の仕事にプライドを持とう。
14 仕事にも人生にも常に危機感を。

第5章 人間関係力を備える
1 人柄の良さもスキルのひとつ。
2 笑顔で好かれる女になろう。
3 さらりと溶け込める適応力を。
4 コミュニケーション・スキルを磨く。
5 成熟した会話をしよう。
6「よき理解者」になろう。
7 相談する人・される人になろう。
8「一銭の得」にもならないことを。
9 さりげない気遣いができる女になろう。
10 戦わない女になろう。
11 自分の意見を言える人に。
12 ほめ上手、忠告上手に。
13 異質な友人・メンター・「貴人」をもとう。
14 影響力のあるキーマンを押さえる。
15 決めつけは視野を狭くする。
16 男性にへり下ると相手にされなくなる。
17 各自の自尊心に光を当てる。
18 親離れしておこう。
19「あら、こんな魅力があったのね」
20 コンプレックスとジェラシーを克服しよう。
21「いろいろ事情があったんでしょう」

あとがき

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