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爆笑問題の(笑)
お笑いの時事解説2007〜2008
バクショウモンダイノ ワライ

著者:爆笑問題
■ISBNコード: 978-4-08-780496-6
■判型/総ページ数: 新書判ソフト/224ページ
■発売年月日: 2008年5月26日
第一章 コンビ結成20周年特別企画@
  対談・テリー伊藤×爆笑問題


最終回に温泉が出る番組をやりましょう!

伊藤 いやぁ、おめでとうございます。
田中 ありがとうございます。
太田 なんですか、いきなり…。
伊藤 20周年なんですよね。僕が初めて爆笑問題さんを見たとき、このふたりはすごく新鮮だなって思いましたよ。
田中 そういえば、僕らが『GAHAHAキング爆笑王決定戦』という番組に出てたとき、テリーさんは審査員だったんですよね。
伊藤 そう。何が新鮮かっていうと、たけしさんは浅草だから、それこそ萩本欽一さんとか日本のコンサバティブなお笑いを見て、その反面的な形で出て来たと思うんですよ。でも爆笑問題は、今度はそのたけしさんを反面にしてるんだなって感じたんです。
田中 そうなんですか。
伊藤 そうです。たけしさんが世に出てトラッドになった。それを見て自分たちのお笑いを作ろうとするとき、たけしさんを目指すのと、その反対を目指すのでは全然違いますから。
太田 そうですよね。
伊藤 だから、爆笑問題が売れてきた当時、たけしさんと似ていると言われていたけれども、僕はそうは思わなかったんですよ。
田中 僕からするとテリーさんは『元気が出るテレビ!!』で知った感じです。
太田 あとは『ねるとん紅鯨団』ね。伊藤輝夫というすごい演出家がいるって認識していました。この人がやるとなんでも当たる。企画もぶっ飛んでいるという感じがして…。
田中 今はすっかり表舞台に出る人になっちゃいましたが、鬼才ディレクターとか天才ディレクターと言われていましたよね。
太田 僕らの大学の友達が番組制作会社に入ったんだけど「伊藤輝夫の企画書は、やっぱすげえわ」なんて言ってましたよ。
伊藤 僕は企画書を書くのが好きなんですよ。1日に100本ぐらい書いて、自分で「企画書100本ノック」って言ってたぐらい(笑)。
田中 1日に100本って、どんどんアイデアが生まれて、どんどん消費していく感じですか。
伊藤 そうですね、企画を温めるとか寝かすという発想がないんですよ。
田中 でも、考えついたアイデアを温めているという人もいますよね。
伊藤 人にもよるんだろうけど、僕は単純に新しもの好きなんですよ。
太田 テリーさんの場合は、今まであった番組からハミ出しちゃってるところが、新鮮な感じがしました。かといって、僕らがそういう企画の番組にハマるのかどうか…。
伊藤 ハマるんじゃないんですか。
田中 どちらかというと、僕らはあまりハミ出せないというか、いろいろ考えたり温めちゃうタイプですからね。
太田 きっちりとしたコントをやってみたいというか、どうしても考えて構築したくなっちゃいますね。好きで見てたのが『オレたちひょうきん族』だったり『8時だヨ!全員集合』だったというのもあるんでしょうけど、そういうのをやりたいという気持ちが強いんです。
伊藤 やればいいんじゃないですか。
太田 とはいえ、いまだに自分の理想を一回も実現したことがないという感じなんですよ。
田中 僕らが一番やりたいのは、やっぱり『ひょうきん』なんですよね。
太田 演者としてはセットを組んでコントをやれたら、こんなに幸せなことはないだろうと思う。でも、逆にテリーさんみたいなテレピマンとしては『元気』のほうがおもしろいんだろうなとも思うんです。どっちもできればいいんだけど、テリーさんが番組作りのスタイルを変えちゃったから。
田中 今のテレビのバラエティは、テリーさんをルーツとした番組が主流になっちゃってるし…。コントをやる番組は視聴率が取れないというのも理由のひとつでしょうし…。
太田 あるいは『進め!電波少年』のような、その場で起こることのおもしろさには敵わなくなっちゃったのか。
田中 でも『爆チュー問題』は『ひょうきん』に近い形なんだけどね。
伊藤 でも、『爆チュー』も『ひょうきん』も『全員集合』も、素顔を出す番組じゃないよね。出演者が素顔を出すのが良い悪いというのではなくて、そういう演じる文化もあるべきなんですよ。素顔を出さないほうが長続きするわけだし。
田中 『元気が出るテレビ!!』では、たけしさんとの戦い的なものはあったんですか。頑張って作ったVTRをスタジオ収録で見せたら、観客に向かってたけしさんが「これはオンエアしません」と、パッと言っちゃうこともあったと聞きましたが…。
伊藤 それは嫌ってほどあった(笑)。こっちは自信がある素材を出してるのにって。だって、僕らは24時間365日番組のことを考えてるわけですよ。
田中 そうですよね。
伊藤 でも、たけしさんはすごく理にかなったことを言って「こんなの甘っちょろいよ」って指摘してくれる。当時たけしさんは日本で一番お笑いのわかっている人で、その人の前で毎週、御前会議や御前試合をしてたようなものだから、それはそれでおもしろかったし、勉強になりましたよ。
田中 すごい話ですね。
太田 当時、テリーさんと一緒に仕事をできたらいいなと思ってました。
田中 ただ、テリーさんはたけしさんと一緒にやる世代で、僕らは僕らの世代の人たちと作っていくんだなあとも考えてたよね。
太田 たけしさんやとんねるずさんはテリーさんとの出会いでガッと突き抜けたイメージがあるんです。オレたちには、いつそういう出会いがあるのかなって考えてましたね。仕事がないときに『竜馬がゆく』を読んで、坂本龍馬は勝海舟と出会ったのが一番大きいんだと知ったんですよ。幕府側の勝と龍馬では立場は違うのに、龍馬は勝を師と仰いでた。
田中 太田は「俺にとっての勝海舟はいつ現れるんだろう」って、よく言ってたんです。
太田 たけしさんとテリーさんみたいな関係ですよね。それがものすごくうらやましかったんですよ。そいつが現れないから、俺たちは龍馬になれないし、売れないんだってことにしてたんですけど。
伊藤 でも、いまの時代は、そういう人がいないほうがいいでしょ。
太田 どうなんですかね。当時はくすぶっている頃だから、いろいろ考えちゃってたかもしれないですね。
伊藤 それにしても、『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中』はおもしろいね。
太田 あれほど、やるかやるまいか迷った番組もなかったんですよ。始めてからも自分の中で「やっていいんだ」と思えるまでに時間がかかりました。
伊藤 あの番組の良いのはリスクを背負っているところですよ。 (…この続きは本書にてどうぞ)

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