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徹底抗戦
テッテイコウセン

著者:堀江 貴文
■ISBNコード: 978-4-08-780518-5
■判型/総ページ数: 四六判ソフト/216ページ
■発売年月日: 2009年3月5日
 はじめに

 この本を書くまでに、相当自分の気持ちを整理しなければならなかった。
 それくらい、この三年間に起こったことは大変過ぎた。
 何しろここまで叩かれたのは、小学生のとき以来だった。周りとまったく違うことを言って、その本意を理解されなかっただけならまだしも、私の一挙手一投足、発言のすべてが理不尽に糾弾された。
 だから小学生の時は、本当に自分が悪いのだろうと思い込んでいた。
 周りに順応しない、協調性のない私が悪いのだと、学校の先生も言っていたっけ。
 あれから二〇年以上を経て、小学校の先生は特捜部の検事と名前を変えていた。でも、特捜部の検事が言っていることも、小学校の先生が言っていることも、大して変わらないように思えた。
 今では小学校時代のことを達観して考えられるようになり、先生がなんでそう言っていたのかも、私が絶対悪でなかったこともわかるようになった。
 特捜部の検事に言われていることが達観できるようになるのは、いったいいつのことなのだろうか。

 二〇〇六年一月。あれはまさに、青天の霹靂だった。

《人生、すべてがうまく行き過ぎている》

 と思い始めた矢先の出来事だったのだが、検察による強制捜査というのは"想定外"であった。

《ここから、くるのか!》

 そう、心のなかで叫んでいた。

《この世の中は、諸行無常》

 逮捕された後、改めてそう思った。




   予兆

"虎の尾を踏んだ、
ニッポン放送株買収と衆院選出馬"


 魅惑のフジテレビ

 ライブドアを上場させるまで、株式など購入したことはなかった。
 ただ、ライブドアを上場させたことで、結果として自社上場株を所有することになった。何ごとも理詰めで考えないと気が済まない私は、株主になったことで、株式会社という組織のあり方や運営形態、株式市場などに興味がわき、勉強するようになった。そして時折『会社四季報』を眺めては、いろんな会社の業績や情報を得ることが楽しみのひとつにもなった。
 ある時、いつものように『会社四季報』を読んでいたところ、少し変わった会社を見つけた。それは「フジテレビジョン(現・フジメディアホールディングス)」のこと。フジテレビの株式の大半を、「ニッポン放送」と「文化放送」が所有していたから、「何か変だな」と思ったのである。
 文化放送は非上場会社、ニッポン放送は上場会社。言葉は悪いが、どちらも衰退しつつあるラジオ放送局である。そのような会社が日本を代表するテレビ放送局の株の大半を所有しているという事実は、私の興味を惹いた(同じく、日本一の広告代理店、「電通」も株式の大半を「共同通信社」と「時事通信社」が所有するという一見奇妙な状況が存在する。これは一九三六年に国策通信会社である「同盟通信社」が設立される際、「日本電報通信社」(現・電通)からニュース通信部門が分離・譲渡されたことに由来するのだそうだ。その後、一九四五年に同盟通信社は解散し、共同と時事に分かれた)。
 しかも、ニッポン放送株の当時の時価総額は、実質的子会社であるフジテレビ株の時価総額を下回っていた。それはニッポン放送を買収すれば、フジテレビをライブドアのグループ会社にできるということを意味する。
 もちろん当時のライブドアに、そんなことをするような資金はない。だから、「フジテレビのライブドアグループヘの編入」は、単なる夢物語であった。
 ところが、村上世彰氏との出会いとライブドアのその後の急成長によって、夢物語は現実となるのである。
 村上氏との出会いは唐突であった。 (…この続きは本書にてどうぞ)

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