坂本眞一「イノサン『パリ/革命の筆触』」展 、11月16日(土)〜

イベント, コミック

18世紀・フランス革命期のパリを「無垢」に生き抜く、運命の兄妹を描く『イノサン』『イノサンRougeルージュ』。「すさまじい画力」「これはマンガなのか?絵画なのか?」と驚嘆される坂本眞一の代表作です。その作品は様々なジャンルのアーティストに刺激を与え、今年、その成果のひとつとして、ヒューリックホール東京で『イノサンMusicale』(脚本:横内謙介/演出:宮本亞門)が上演されることになりました。このミュージカルと時期をあわせ、エプソンスクエア丸の内「エプサイトギャラリー」で、展覧会を開催します。

 

坂本眞一は、ペン入れから彩色まで、すべてをデジタルで行います。週刊〜隔週刊の連載でありながら、デジタルデバイス〜ソフトウェアの力も巧みに利用し、圧倒的な密度で作品を描き続けてきました。思い通りに線がコントロールできるように設定されたデバイスを手に、時間の許す限り描き重ね、描き直し、拡大と縮小を繰り返しながら18世紀パリの世界を紡いでいく……。市民革命を描くその筆触は、21世紀のデジタル技術革命によって可能になった、新たに発明されたタッチだといえるでしょう。

今回の展示では、エプソンの大判インクジェットプリンターを用い、美術専用紙「ベルベットファインアートペーパー」に出力を行いました。ベルベットファインアートペーパーは、色再現度の高さと信頼性から、海外の美術館やアートギャラリーで主に使用されてきた紙です。そこに大きく描き出されたイメージは、描いた作家本人もこれまで見たことがない、強いインパクトを持つものでした。

絡み合う髪の毛、緻密に織られたレース、きらめく燭台、重くにぶく光る鉄、貴族たちの胸元を飾る煌びやかな宝石、血と泥にまみれた労働者の服……。

これまでマンガ誌やコミックスのサイズでしか見られることがなかった坂本の絵には、大きくプリントしてはじめて見えてくる細部が秘められていたのです。

このアートプリントの展示に加え、B2サイズの大型本も制作。見開きが1メートルを超えるサイズで『イノサン』のハイライトシーンをお読みいただけます。さらに別会場に、坂本眞一の制作環境を再現したコーナーを用意しました。作家のクリエーションの過程を、液晶タブレットとプロジェクターの映像でご覧いただけます。

 

坂本眞一「イノサン『パリ/革命の筆触』」展

場所:エプソンスクエア丸の内 エプサイトギャラリー
会期:20191116日(土)~1211日(水)
時間:10:0018:00
休館:日曜日
入場:無料

https://www.epson.jp/showroom/marunouchi/epsite/gallery/exhibitions/2019/1116/

 

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