書誌情報
集英社文庫(日本)
嫁の遺言
著者
あらすじ・概要
満員電車の中、ふと冷たい手が触れた。それは、死んだ嫁の優しい手だった──。
泣けて笑える! 感動作の名手・カトゲンが贈る、大人のおとぎ話全7編。
朝の満員電車、ふと冷たい手が僕の手に触れた。「死んだ嫁の手や」。生きているとき、いつも手助けしてくれた手。二度目はエレベーターの中で声が聞こえた。「間違いない。嫁が来たんや」。結婚して間もなく癌でこの世を去った彼女が幽霊になっても伝えたかったこととは(表題作)。夫婦、親子、カップルなど、誰かを想って一途に生きる人々を描く全七編。読むと優しい気持ちになれる"大人のおとぎ話"。