書誌情報

随筆/ノンフィクション/他

「女子」という呪い

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著者

著者:雨宮 処凛

あらすじ・概要

この社会で「女子」たちは「女のくせに」と罵られ、なのに常に女子力を求められる。上から目線で評価され、「女なんだから」と我慢させられる。これはもう、呪われているとしか思えない! この理不尽さと生きづらさを「なんだか変じゃない?」と問いかけ、解決のヒントを探るエッセイ集。日本版#MeToo を応援する1冊。

●目次より抜粋
序:すべての生きづらい女子たちへ
第1章・オッサン社会にもの申す
紫式部も悩んだ無知装いプレー問題とは?/キレる女性議員、のんきな「ちょいワルジジ」/ 藤原紀香結婚会見の妙/40代単身フリーランス(私)、入居審査に落ちる/理想の結婚相手は「おしん」だとさ 他
第2章・女子たちのリアルな日常
「迷惑マイレージ」を貯めて孤独死に備える/アラフォー世代、おひとり女子のリアル/女地獄における比較地獄/必殺! 困った時のフランス人/化粧する女、化粧する男 他
第3章・「呪い」と闘う女たち
AVで処女喪失したあの子の死/メンヘラ双六を上がった女/飛び降り自殺未遂者のY子さん/彼女がレズ風俗に行った理由/セーラー服歌人との出会い 他
第4章・呪いを解くことはできるか

●本文より抜粋
メディアでたまに目にする、「夫の不倫に謝罪する」妻。
「頑張れ」「努力しろ」と言うわりには、「でも、男以上に成功するな」というダブルスタンダードを要求する社会。「女子力」とか「女性の活躍」という言葉への違和感。「そんなこと言ってるとモテないぞ」「お前は女の本当の幸せを知らない」などと余計なことを言ってくるオッサン。
子育てする男性が「イクメン」と言われ、介護をすれば「ケアメン」と名付けられ持ち上げられるのに、女が仕事して子育てして家事してその上介護までしても誰も名付けてもくれないし褒めてもくれないという現実。
仕事ができる女は時に「女のくせに」「女だてらに」と揶揄され、場合によっては「女を武器にしたのでは」なんて勘繰られもする。「女を使う女」は軽蔑される一方で、女らしい気配りや身ぎれいさは当然のように要求される。
セクハラには「場の空気」を壊さないよう笑顔であしらう技術まで求められ、それが「大人の女のたしなみ」みたいに誤解されている。「無知」を装おうことを求められ、なぜかいつも男に「上から目線」で「評価」され、点数をつけられたりしている。
このようなことが、私が思う「〈女子〉という呪い」である。

【著者略歴】
雨宮 処凛 (あまみや かりん)
1975年、北海道生まれ。作家、活動家。バンギャル、右翼活動家を経て、2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』でデビュー。自身の経験から、若者の生きづらさについて著作を発表。その後、格差や貧困問題について取材、執筆、運動を続ける。『生きさせろ! 難民化する若者たち』は、JCJ賞受賞。著書に「一億総貧困時代」など多数。