『乙女椿は笑わない』高梨みつば
■STORY
主人公の椿は、文具売り場で働く25歳の販売員。
過去のトラウマから人前で笑顔を浮かべることができず、愛想を振りまくことは苦手ですが、持ち前の真摯さとお客様を思いやる心は本物。職場では「クールだけど真面目な、笑わないキャラ」として受け入れられています。
ある夜のこと。
仕事帰りに、発売を心待ちにしていた少女マンガを購入した椿。
両手いっぱいの荷物をかかえて帰宅しようとしたその時、後ろから人がぶつかってきて眼鏡が落下!
横断歩道のど真ん中で身動きが取れなくなってしまい…。
信号も変わって大ピンチのなか、椿の手を取って助けてくれる男性があらわれます。
彼の正体は、大企業・葛城グループの次期跡取り候補、葛城斗真。
実は彼は、椿が幼い頃に生き別れとなった母親・百合子から頼まれて、彼女の様子をこっそりと見にきていたのです。
しかし、そんなことを知る由もない椿。
裸眼ではひとりで歩くこともままならず、近くで居酒屋を営む実家まで彼に送ってもらうことに…。
助けてくれたお礼にと、店で酒をふるまわれた斗真は、椿の父親から彼女が笑顔をなくしてしまった理由を聞きます。
それは椿が高校生のとき。死んだと聞かされていた母が、実は他の男と結婚するために家を出たという真実を、知ってしまったことが原因でした。
それまで両親は深く愛し合っていたと信じてきた椿は、大きなショックを受けます。
さらに、当時の恋人の前で無理やりつくった笑顔を気持ち悪いと言われてしまったことがトラウマとなり、椿は恋愛からも遠ざかるようになっていたのです。
しかし、椿を残して家を出た百合子にも深い事情がありました。
それは、葛城グループにとっても重要な秘密のようで…!?
「もし、椿が笑顔で毎日を過ごしていなければ、あなたが娘を笑わせて」
百合子からそんな使命を受けた斗真は…!?
乙女椿は笑わない 1/高梨 みつば | 集英社の本 公式
菅野 椿・25歳 彼女は人前で笑うことができない。なぜなら昔、好きな人に笑顔が気持ち悪いと言われたから…。そんな椿の前に不意に現れた一人の男性。彼には、椿を笑顔にするという使命があって──?