書誌情報
小説/戯曲
じごくゆきっ
著者
あらすじ・概要
なにから逃げるの? どこに行くの?
わたしをひとりにしないでねっ。
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日談を含む全7編を収録。想像力の可能性を信じる、桜庭一樹10年間の軌跡。
かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。こどもみたいな、ばかな大人。みんなの愛玩動物。そんな由美子ちゃんの一言で、わたしと彼女は、退屈な放課後から逃げ出した。あまずっぱじょっぱい、青春譚――「じごくゆきっ」。
ぼくのうつくしいユーノは、笑顔で、文句なく幸福そうだった。あのときの彼女は、いまどこにいるんだろうか。ユーノのお母さんの咆哮のような恐ろしい泣き声。僕はユーノにも、その母親にも追い詰められていく――「ロボトミー」。
とある田舎町に暮らす、二人の中学生――虚弱な矢井田賢一と、巨漢の田中紗沙羅。紗沙羅の電話口からは、いつも何かを咀嚼する大きくて鈍い音が聞こえてくる。醜さを求める女子の奥底に眠る秘密とは――「脂肪遊戯」。
7編収録の短編集。
【著者略歴】
桜庭 一樹(さくらばかずき)
1999年「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン』と改題)で第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選。<GOSICK>シリーズ、『推定少女』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』などが高く評価され、注目を集める。2007年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞、08年『私の男』で第138回直木賞を受賞。その他の著書に『少女には向かない職業』『荒野』『ファミリーポートレイト』『ばらばら死体の夜』『ほんとうの花を見せにきた』などがある。