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小説/戯曲

求愛

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著者

著者:瀬戸内 寂聴

あらすじ・概要

人は、死ぬまで、愛を求める。

大病からよみがえった著者が、執筆に執念を燃やし続けてたどり着いたさまざまな「愛」のかたちをつづる三十篇。
数え年九十五歳にして初の、寂聴・掌(てのひら)小説集。



父親が行方不明、男を作った母親に家から追い出された「私」は、伯母の家で従妹の艶(つや)と兄妹のように育つ。「うちと兄ちゃん、いいなずけやもん」と慕ってくる艶と夫婦になるが……。(「許婚者(いいなずけ)」)

エッセイストの早苗の家に、その日、一通の封書が届いた。差出人の住所はなく、ただ名前だけがあった。二十年前に死んだ、昔の男の名だった。(「恋文の値段」)

「おれ」より四十一歳年上の栞は、九十一歳だが若々しい。ケータイの電話とメールを使いこなし、世界を飛び回る「おれ」と繋がっている。南米の土産物「どりーむ・きゃっちゃー」を渡して以来、彼女から深夜の電話が来るようになり……。(「どりーむ・きゃっちゃー」)



【著者プロフィール】

瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)

1922(大正11)年、徳島生れ。東京女子大学卒。1957(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で第3回新潮社同人雑誌賞を受賞。61年『田村俊子』で第1回田村俊子賞、63年『夏の終り』で第2回女流文学賞を受賞。73年11月14日、平泉中尊寺で得度。法名、寂聴(旧名は晴美)。1992(平成4)年『花に問え』で第28回谷崎潤一郎賞、96年『白道』で第46回芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で第54回野間文芸賞、11年『風景』で第39回泉鏡花文学賞を受賞。1998年『源氏物語』の現代語訳(全10巻)を完訳。2002年『瀬戸内寂聴全集』(全20巻)が完結。06年文化勲章を受章。08年第3回安吾賞を受賞。『花芯』『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『女人源氏物語』『いよよ華やぐ』『死に支度』『わかれ』など著書多数。歌舞伎、能、狂言、オペラの台本も手がけている。