書誌情報
小説/戯曲
青春とシリアルキラー
著者
あらすじ・概要
ーーこの本は、なんだかわからないうちに人生をしくじった僕と、その周辺について書いたものである。
青春が終わっても人生は続く。若さゆえの生きづらさを描いてきた小説家が、新たな苦しみに直面した三十八歳から四十歳までの日々。web好評連載、待望の書籍化!
中年男性は生きにくい。
結婚しても結婚しなくても地獄だ。
どうすれば我々は救われるのか?
そんな疑問への答えが描かれたメタフィクション。
面白い!
ーー滝本竜彦氏推薦!!
《本文より》
三十八歳だというのに暮らしが崩壊寸前で、キッチンに山積みになった皿を洗う前に、ビールを飲まないと気合いが入らず、夜遅くに帰ってきた妻と顔を合わせるとき、変に緊張してしまうような僕は、まあざっくり云って人生がしんどい。
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ナイフはすっかり研がれている。僕はそんなナイフを見て、自分と他人のどちらに突き刺すべきかを考える。答えはすでに出ている。臆病者の僕はそもそもナイフなんて使わないし、他人を殺すよりも自分を殺すほうがいいし、自殺するときは首吊りってむかしからきめているから。
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Q.疲れた人生を救うものはなにか? 殺人と自殺以外で答えなさい。
A.失踪と不倫!
佐藤友哉(さとう・ゆうや)
1980年北海道生まれ。2001年『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞受賞。2007年 『1000の小説とバックベアード』で三島由紀夫賞を最年少で受賞。他の著書に『クリスマス・テロル invisible×inventor』『世界の終わりの終わり』『デンデラ』『ナイン・ストーリーズ』『転生! 太宰治 転生して、すみません』等がある。