書誌情報
対談/講演
超少子・超高齢社会の日本が未来を開く医療と宗教のパラダイムシフト
著者
あらすじ・概要
《今後の医療のゴールは、……ADL「日常生活動作能」とQOL「生活の質」を高めていくところにあって、新たなゴールへ向けてケアもシステムも変わっていかなくてはいけない……新たな体系をつくれるとしたら日本、および韓国、中国という東アジアの国しかありえない。……というのも、日本では介護保険・医療保険のデータベースが充実していて、そこにAIを使えば、新しいADLの方向を予測することができるからだ。》(長谷川敏彦)
《二〇一一年の東日本大震災では、津波による多くの身元不明者が出現した。その遺体をそのまま放置しているわけにいかないので、共同埋葬なり共同葬儀をしなくてはならない。そのときに、公共空間において共同の宗教的ケアができる宗教者が必要だということで「臨床宗教師」という新たな日本型チャプレンができてくる。……どの宗派か分からない人たちのために、教団・宗派を超えて、共有できる普遍性を持った形の宗教的ケアとか傾聴とかスピリチュアルケアをやっていこうという形で出てきたのが臨床宗教師です。……東日本大震災を契機として、超宗教的な、特定教団の枠組みを超えた形での臨床宗教師を育成する講座が立ち上がった。》(鎌田東二)
日本の総人口は数十年後に一億人を割り、五十歳未満が四〇%にまで減少し、多死時代を迎える。そうした超少子・超高齢社会に向けて、医療と宗教の両泰斗が提唱する最新未来モデル!
【著者略歴】
長谷川敏彦(はせがわ としひこ)
大阪大学医学部医学進学課程卒業、米国で外科専門医の研修を受ける。ハーバード大学公衆衛生大学院修士課程卒業。アメリカのニューエイジ・サイエンスを日本に紹介する。1986年に旧厚生省に入省し「がん政策」「寝たきり老人ゼロ作戦」を立案。国立医療・病院管理研究所医療政策研究部長、国立保健医療科学院政策科学部長として「健康日本21」「医療計画」「医療安全」等に関与。日本医科大学医療管理学主任教授を経て、2014年に未来医療研究機構を設立。その後、過去40年間の日本の医療制度改革の歴史分析を英語で出版、日本医師会公衆衛生委員会にて健康の新定義(2018年)、健康格差の答申(2020年)に参与。
鎌田東二(かまた とうじ)
1951年、徳島県生まれ。専門は宗教学・哲学。上智大学大学院実践宗教学研究科・グリーフケア研究所特任教授等を経て、京都大学名誉教授。天理大学客員教授。京都伝統文化の森推進協議会会長。主著に『神界のフィールドワーク』『翁童論』『南方熊楠と宮沢賢治』『悲嘆とケアの神話論』ほか。神道ソングライターとして、『この星の光に魅かれて』(2001)、『なんまいだー節』(2003)、『絶体絶命』(2022)等をリリース。石笛・横笛・横笛・法螺貝などの演奏についてはCDブック『元始音霊 縄文の響き』(2001)などがある。