書誌情報

集英社新書

「井上ひさし」を読む 人生を肯定するまなざし

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あらすじ・概要

【戦後日本社会の抱えてきた問題、実に大きい問題が、たとえば天皇の戦争責任が問いかけられている――大江健三郎】【東日本大震災で私たち劇作家が何より痛感したのは、井上ひさしさんの不在なんです――平田オリザ】【井上ひさしが生きていたら、その目には、この日本の状況がどう映っていただろう。――没後10年。いまこそ読み直したい、井上ひさしの文学。】大人気テレビ番組「ひょっこりひょうたん島」の脚本をはじめ、岸田國士戯曲賞を受賞した『道元の冒険』、直木賞受賞作となった『手鎖心中』、さらには日本SF大賞や読売文学賞に輝いたベストセラー小説『吉里吉里人』など、多彩な活躍を見せた作家・井上ひさし。本書は、井上に共鳴する人々が、生前の交流を明かしながら、その作品を論じる初の論考集。井上に刺激を受けながら創作活動を行ってきたと明かす作家・大江健三郎をはじめ、国内外から評価の高い劇作家・平田オリザなど、錚々たる創作者がそのメッセージを読み解く。

はじめに  小森陽一
第一章 言葉に託された歴史感覚  今村忠純 島村 輝
第二章 「夢三部作」から読みとく戦後の日本  大江健三郎
第三章 自伝的作品とその時代  辻井 喬
第四章 評伝劇の可能性  永井 愛
第五章 「日本語」で書くということ  平田オリザ
特別付録 座談会「二一世紀の多喜二さんへ」井上ひさし最後の座談会 井上ひさし ノーマ・フィールド
おわりに  成田龍一
年表:井上ひさしの足跡