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加賀乙彦 自伝

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著者

著:加賀乙彦

あらすじ・概要

私は『永遠の都』『雲の都』を書くために作家になったような気がします。――二・二六事件の記憶、陸軍幼年学校における敗戦体験、医学生時代のセツルメント運動、東京拘置所の医務部技官時代、犯罪学・精神医学研究のためのフランス留学、『宣告』のモデル・正田昭との交流、キリスト教の洗礼…自らの生きてきた八十余年の歩みを注ぎ込んだ九千枚におよぶ大河小説の“詩と真実”を初めて明かした、語り下ろし自伝。

プロローグ
妻との別れ
三月十一日、大震災のあと
死生一如
フィクションとノンフィクションのあいだ
第1部 二・二六事件から敗戦まで
永遠に変わり続ける故郷・東京
最初の記憶は二・二六事件
戸山ヶ原の腕白時代
家の空気を一変させた母の「事件」
名古屋陸軍幼年学校
餓えの冬とトルストイ
第2部 フランス語修業と医学生生活
都立高校へ編入
アルバイトをして映画館通い
フランス語修業
長閑な都立高校
通学読書の幸福な時間
解剖で人体の精妙さを知る
貧困を目の当たりにして目を開かれる
マルキシズムとキリスト教
フランスの長篇小説と日本の戦後文学
社会のなかでの実践的な勉強
犯罪学を志す
東京拘置所医務部技官
フランス政府給費留学生試験
第3部 フランス留学
辻邦生との出会い
長い昼休みをもてあます
フランスの習慣に慣れる
フランドルへ
九死に一生を得る
日本語欠乏症にかかる
第4部 『フランドルの冬』から『宣告』へ
精神医学の歴史
文学同人になる
『フランドルの冬』を発表
埴谷雄高、大岡昇平、森有正
結婚、そして本郷へ
三島事件と『帰らざる夏』
上智大学へ
正田昭との出会い
『宣告』の執筆
第5部 いかにしてキリスト教徒となりしか
座禅とアイススケート
専業作家になる
父の死
母の死
洗礼へいたる道
死刑制度について
エピローグ
大河小説の完結
「ペトロ岐部」への挑戦
あとがき
年譜
著書目録
人名一覧