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マルメロ草紙 -edition courante-

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著者

著:橋本治絵:岡田嘉夫

あらすじ・概要

時は二十世紀初頭の巴里。ブーローニュの森近くの瀟洒な屋敷で暮らす大実業家のエミールと夫人のシャルロット、シャルロットの妹で女優を目指すナディーヌ。その館に美しいショーマレー中尉が招かれてから、三人の心に波風が立ち始める。やがて、パリ社交界の中心に座す名高いヴェルチュルーズ侯爵夫人から仮装舞踏会の招待状が届き……。アールデコ様式全盛の時代、煌めきに満ちた女性たちの甘酸っぱく、香気に満ちた傑作耽美小説。2013年に限定150部で刊行された幻の豪華本『マルメロ草紙』をテキストの読みやすさを重視した新たな装いで刊行。

第一章 ブーローニュの森のほとりに住む、幸運の星の下に生まれた夫妻
第二章 お転婆さんと世話焼き叔母様
第三章 舞台という悪魔
第四章 大通りの秘密
第五章 春の星空
第六章 菫色の瞳の中尉
第七章 マルメロをめぐるいささか難解な会話
第八章 夏の花、そして聖十字架の記念日
第九章 聖母マリアの月
第十章 侯爵夫人からの招待状
第十一章 シェエラザードの夜
第十二章 華麗なる獣の視線
第十三章 侯爵夫人の恋の手ほどき
第十四章 ハバネラと闘牛士
第十五章 凍れる籠の鳥
第十六章 美徳とは一文字ちがう侯爵夫人
第十七章 迷宮に昇る夜の太陽、そして貞淑の月
第十八章 深紅の胎内
第十九章 水鳥の去った湖を眺めながら
第二十章 逆光の中に笑みを忘れた人がもたらす言葉は
第二十一章 苦艾酒の酔いの後
第二十二章 午後の妹、夜の姉
第二十三章 夢の後先
第二十四章 ナディーヌ、シャルロット、そしてアンヌ
終章 大運河、あるいはシベリアの紅