書誌情報
集英社オレンジ文庫
流転の貴妃或いは塞外の女王
著者
あらすじ・概要
「馬の練習をしよう。貴女は、三歳の子供より下手だ」。
商人の娘として生まれ、後宮の貴妃になったはずの柴紅玉の人生は、突然先行きが見えないものとなってしまった。
勢力を拡大しつつある北方の遊牧民族の盟主へと嫁がされることとなったのだ。“狄”と呼ばれ、中原の民に見下される異民族の新王への贈りものとして。
しかし紅玉を待ち受けていたのは、嫁ぎ先の部族と敵対する者たちによる襲撃だった。
皇帝からの新書も金印も失い、身ひとつの戦利品として囚われた紅玉は、族長の末子であるアマルという少年の妻となるように言われてしまい……?
運命に翻弄されるだけだった紅玉が、勇気と才覚ですべてを掴み取る中華風浪漫譚!
2019年ノベル大賞佳作受賞作。