書誌情報
集英社オレンジ文庫
死神のノルマ二つの水風船とひとりぼっちの祈り
著者
あらすじ・概要
電車の中で読まないでください。
泣ける本、ここにあります。
女子大生の響希は、ある日“死神の下請け”と名乗る少年ケイと出会った。
死神の下請けとはこの世に残る「死者」をあの世へと送る存在で、ノルマがあるらしい。ノルマ達成に必要な死者の数は不明、だが未達の場合はペナルティがあるという。
あの世に送る方法は二通り。下請けの能力で強制送還か、未練を解消させ自ら成仏させるか。
ノルマを達成するには後者が必要だと知った二人は、死者の声に耳を傾け、成仏させようと奮闘していた。
しかし、二人の前に未練の解消を望まない死者が現れた。
強制送還も成仏であることには変わらない。ただそれではケイのノルマが達成できない。達成できなければ、ケイは再び13年間、歳も取らず、眠ることもなく、ひたすら死者を求めてあてどなくさまようのだ。一人成長していく響希を眺めながら――。
死者を苦しみから解放するためにあの世に送るか、ノルマのために苦しむ死者自らの成仏を待つか。
初連載の最終回を見届けられなかった漫画家、振袖を受け取れなかったアパートの大家、恋人の幸せを願うことができない高校生……。
ケイと響希の決断は?
去りゆくもの、残されるもの。
それぞれの温かい祈りと切ない希望に、あなたはきっと涙する。