書誌情報

小説/戯曲

武士マチムラ

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著者

著者:今野 敏

あらすじ・概要

1829年、沖縄(ウチナー)の泊村で生まれた松茂良興作(まちむらこうさく)、幼名・樽金(たるがね)。
沖縄の武術、「手(ティー)」に魅了され、薩摩の支配下で沖縄人が理不尽な扱いを受けることに憤る、正義感の強い少年だった。
樽金には、一度見た「手」をほぼ記憶する特異な才能があった。
父から「手」の基礎を習い、元服を迎えて興作を名乗ると、高名な泊の武士(ブサー)のもとで本格的な修行に入る。
伝説の武士・松村宗棍(まちむらそうこん)からも「手」の型を教わり、めきめきと腕を上げていった興作は、
ある日、沖縄人に狼藉をはたらく薩摩藩士と対峙し、手ぬぐい一本で剣を打ち負かしてしまう。
これにより武士マチムラの名が世に広まるが、薩摩の目を逃れるために、興作は放浪の旅を余儀なくされる。
やがて明治維新の荒波が沖縄を襲い、琉球王国がヤマトに消滅させられてしまう。
興作は若者に「手」を教えながら、反ヤマト派の活動を始めるのだが――。
空手の真髄と沖縄のあるべき姿を追い求めた男の、波瀾の生涯を描く。
今野敏のライフワーク、琉球空手シリーズ第四弾!

空手家・今野敏の面目躍如たる労作『武士マチムラ』

【著者プロフィール】
今野敏(こんの・びん)
1955年北海道生まれ。78年、上智大学在学中に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。レコード会社勤務を経て、執筆活動に専念。
2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を受賞。08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞ならびに第61回日本推理作家協会賞を受賞。17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞。空手有段者で、道場「空手道今野塾」を主宰。