書誌情報

集英社新書

他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学

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著者

著:磯野真穂

あらすじ・概要

生の手ざわりを求めて――。
“正しさ”は病いを治せるか?
“自分らしさ”はあなたを救うか?
不調の始まる前から病気の事前予測を可能にし、予防的介入に価値を与える統計学的人間観。
「自分らしさ」礼賛の素地となる個人主義的人間観。
現代を特徴づける一見有用なこの二つの人間観は、裏で手を携えながら、関係を持つことではじめて生まれる自他の感覚、すなわち「生の手ざわり」から私たちを遠ざける。
病いを抱える人々と医療者への聞き取り、臨床の参与観察、人類学の知見をもとに、今を捉えるための三つ目の人間観として関係論的人間観を加えた。
現代社会を生きる人間のあり方を根源から問う一冊。

序論
第一部 リスクの手ざわり(第1章 情報とリスク
第2章 正しく想像せよ
第3章 ゴンドラ猫は恐怖する
第4章 新型コロナウイルスの実感)
第二部 危機に陥る人々・その救済の物語(第5章 狩猟採集民という救済
第6章 「自分らしさ」があなたを救う
第7章 人とは何か)
終章 生成される時間
おわりに