書誌情報
集英社文庫
風よ あらしよ 上
著者
あらすじ・概要
明治28年、福岡県今宿に生まれた伊藤野枝は、貧しく不自由な生活から抜け出そうともがいていた。「絶対、このままで終わらん。絶対に!」野心を胸に、叔父を頼って上京した野枝は、上野高等女学校に編入。教師の辻潤との出会いをきっかけに、運命が大きく動き出す。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の評伝小説!! 第55回吉川英治文学賞受賞作。
序章 天地無情
第一章 野心
第二章 突破口
第三章 初恋
第四章 見えない檻
第五章 出奔
第六章 窮鳥
第七章 山、動く
第八章 動揺
第九章 眼の男
第十章 義憤
第十一章 裏切り