書誌情報
集英社文庫
風よ あらしよ 下
著者
あらすじ・概要
思想的対立を機に、夫である辻との関係は空疎になっていく。『青鞜』の出版も行き詰まる中で、大杉栄――異性の親友であり、共に闘う同志でもある男の存在が、日々大きくなっていくが……。吹き荒れる嵐のような日々、やがて訪れる束の間の炉辺の幸福……。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺された伊藤野枝。女として、アナキストとして、明治大正を駆け抜けた、短くも鮮烈な生涯を描き出す圧巻の評伝小説。第55回吉川英治文学賞受賞作。
第十二章 女ふたり
第十三章 子棄て
第十四章 日蔭の茶屋にて
第十五章 自由あれ
第十六章 果たし状
第十七章 革命の歌
第十八章 婦人の反抗
第十九章 行方不明
第二十章 愛国
終章 終わらない夏